舞台の手に持った扇子

うつくしいもの帖|支える人の手

舞台の上に立つ人の姿は、
どうしても目を引きます。

けれど、その舞台が成り立つまでには、
表には見えにくい、たくさんの手があります。

幕を整える手、
灯りを確かめる手、
道具を運び、静かに見守る手。

何かを華やかに見せるためではなく、
そこにあるべき時間を支えるための手。

受け継がれていくものは、
言葉や形だけではなく、
こうした手の記憶なのかもしれません。

目立たないまま差し出される力に、
ふと心を打たれることがあります。

うつくしいものは、
誰かの前に出る姿だけでなく、
その後ろでそっと支える人の中にもあります。